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学園だより

お茶が結ぶ「ご縁」〜朝礼スピーチより

平成24年10月23日(火)
朝夕は肌寒く感じられる頃となりました。通学路の木々の中に季節を先取りして色づき始めた葉を見つけました。私はこの季節になると、ある方との出会いを思い出します。
今から3年前の今頃、地元の青年部が主催する茶会で点前をする機会を得ました。私が裏千家学園に入学する半年前のことです。その頃の私は、ようやく帛紗捌きができる程度。薄茶点前の順序さえ身に付いていませんでした。点前をすることが決まったのは茶会の前日でした。その晩、私は点前順序を覚えようと、寝る間を惜しんで身振り手振りで稽古しました。いよいよ茶会の当日、席に入り点前座につくと頭の中は真っ白になりました。周りにはお客様しかいません。もちろん手助けしてくれる人は誰もいません。計り知れない緊張感に襲われました。一夜漬けして覚えた点前をただひたすらするしかありませんでした。「とにかく目の前にあるお茶を正客様にお出しする」という一心でお茶を点てました。そんな不慣れで不器用な私のお茶を飲まれたお正客様は「美味しいお茶ですね」と喜んでくださいました。私の不安な気持ちは安心に変わりました。嬉し涙を浮かべながら思ったことがあります。「いつでも、どんな時でも、お客様が喜んでくださるお茶をお出しできるようになりたい」。このお正客様との出会いが今の私につながっています。
それから1年後、宗旦忌の薄茶席(裏千家学園)でお運びのお手伝いをさせていただきました。茶道科1年生の私にとって入学して初めてのお手伝いでした。その時、一碗のお茶を運んだ先に、私にとっての「初めてのお正客様」がお座りでした。その方も私のことを覚えていらっしゃいました。あの時、私が点てたお茶を美味しいと飲んでくださったこと、そして、それが裏千家学園への入学を後押ししてくれたことをお話し、改めてお礼を申しあげました。その後も、遠忌のお手伝いの度に、その「お正客様」にお会いしています。一碗のお茶が生んだ「ご縁」です。来月の宗旦忌が裏千家学園生として最後の遠忌お手伝いになります。さまざまな「ご縁」を大切にしながら、残り半年の学生生活をじっくり過していきたいと思います。

茶道科3年(49期生) 伊藤 友 〔朝礼スピーチより〕

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