学園だより

学園歳時記【さつき第1号】〜和菓子の愉しみ−製菓実習

平成24年5月2日(水)
風薫る5月を迎えました。前庭の牡丹が咲き乱れています。5月2日(水)午後、末富 山口富藏先生のご指導のもと製菓実習が行われました。茶道科2年生と1年コース、どちらも初めてとなる今回は道明寺粉をつかった桜餅をつくりました。
ソメイヨシノがすっかり葉桜となった今、菓子に付けられた銘は「御衣黄(ぎょいこう)」。淡い緑色をした八重の花弁は開花がすすむにつれ、しだいに薄い黄色をおびていきます。どことなく気品が感じられ、高貴な衣装を思わせることが名前の由来です。京都市内では仁和寺や雨宝院が名所として知られ、4月の下旬から見頃を迎えます。
同じ素材であっても色遣いや焼印のあしらい方など、ちょっとした工夫で季節や風物を自在に表現できる和菓子。茶席のなかにあって、亭主が自由に択び、形や色彩に思いを込めることのできる唯一のものです。製菓実習で学ぶことは菓子作りだけではありません。茶の湯との関わりや古典文学の影響、菓子匠の成り立ちなど、山口先生のお話は多岐にわたり、話題も豊富です。はじめての製菓実習は和菓子の世界の奥深さと広がりを知る貴重な体験となりました。

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