学園だより

学園歳時記【みなづき第1号】〜比叡のふもとを訪ねて

平成24年6月9日(土)
風薫るさわやかな5月から一転、曇りがちの日が続いています。近畿地方の梅雨入りが発表された翌日、6月9日(土)滋賀県大津市の近江神宮にて、千 玄室大宗匠奉仕による献茶式が厳かに執り行われました。霧雨のなか茶道科1年・1年コース・研究科・みどり会生が参列しました。
参列を終え近江神宮をあとにし、京阪電車石坂線に乗り大津市内を北上。終点の坂本まで足を伸ばしました。坂本は比叡山延暦寺の門前町。琵琶湖に面した港も開け、かつては交通の要衝として繁栄した町です。駅の改札を抜けると東側に茶畑が広がっていました。最初の目的地、日吉茶園です。最澄が唐から持ち帰った種を植えたことが始まりとされています。高山寺(右京区)の栂尾茶園や長崎県平戸の冨春園茶園とならび、日本最古の茶園の一つに数えられています。
坂本駅を出て琵琶湖を背にし、緩やかな勾配の坂をのぼります。次の目的地は日吉大社です。参道の両脇に里坊(隠居した僧侶の住まい)が立ち並んでいます。風情のある石塀は「穴太衆積み(あのおしゅうづみ)」と呼ばれます。自然石を加工せずに積み重ねる巧みな技術です。石積みと豊かな自然のある風景、参道一帯は重要伝統的建造物保存地区に指定されています。
日吉大社は全国3800余りの分霊社(日吉・日枝・山王神社)の総本宮です。東本宮と西本宮それぞれの本殿は国宝に指定されています。日吉大社の神の遣いである真猿(まさる)に因んで、おみくじは小さな猿の置物に詰められていました。
3000本に及ぶカエデの老樹がしげる境内、秋は紅葉狩りに訪れる参詣者で賑わいます。霧のような細かい雨に打たれた青楓が瑞々しく輝いていました。

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