学園だより

学園歳時記【かんなづき第1号】〜石清水八幡宮献茶式添釜〔道具篇〕

平成24年10月6日(土)
爽やかな風が吹く10月6日(土)、家元学校長奉仕による石清水八幡宮献茶式が執り行われ、茶道科3年生(49期生)が野点席の添釜を担当しました。年に一度の献茶式添釜は学園生にとって学校外で多くの喫客をお迎えする貴重な機会です。
去る9月7日(金)、無限斎碩叟宗室居士の毎歳忌、清香妙嘉大姉の33回忌法要が大徳寺において営まれました。お二方のご尽力と千玄室大宗匠の熱意により、裏千家学園は昭和37年、茶道研修所として産声をあげました。それから半世紀の時が過ぎ、昨年には創立50周年の節目を迎えました。今年の石清水八幡宮献茶式の添釜にあたり、お二方を偲び、感謝の気持ちを捧げたいという49期生の想いが出発点になったようです。主茶碗は無限斎宗匠の手捏ね、お茶は清香妙嘉大姉好みの「千賀の浦」(松籟園詰)です。点前には鵬雲斎大宗匠好みの春秋棚を用い、床は御家元染筆の短冊「秋氣在佳色」を掛けました。男山の竹で作られた圓能斎作の掛花入に竜胆とアケビ。秋草が描かれた三日月形の香合、長閑(のどか)釜、トンボの蓋置など、穏やかな秋の野山を連想させる道具が取り合わせられました。数茶碗のかわりに、瀬戸、虫明、萩、ハワイ、ブラジルなど、49期生それぞれの縁りの地にちなんだ茶碗が選ばれました。心をひとつにしたいという思いから、全員が揃いの古帛紗を新調。また、席札として3種の色の楊枝入れ300個余りを手作りしました。
添釜に臨むにあたり、数ヶ月も前から話し合いを繰り返し何事にも全員で取り組みました。クラスの団結がいっそう高まり、49期生にとって実り多い貴重な経験となったようです。

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