学園だより

学園歳時記【しもつき第2号】〜仁和寺茶室探訪−『茶室の基礎』現地講義

平成24年11月2日(金)
炉開きを機に朝夕は肌寒く感じられるようになってきました。堀川通の銀杏並木が少しずつ色づいています。11月2日(金)、茶道科1年生の「茶室の基礎」講義(飯島照仁講師)では右京区の仁和寺を訪れました。
仁和寺は真言宗御室派の総本山。平安時代に光孝天皇の勅願で886年に起工され、宇多天皇によって888年に完成しました。応仁の乱で焼失しましたが、江戸時代の初めに再興されました。宇多天皇をはじめ退位された皇子皇孫が出家し門跡となられたことから、御室御所の名で親しまれてきました。遅咲きの「御室桜」は名勝として知られ、春は観光客や花見客で賑わいます。今年の4月末、茶道科3年生は体育の授業で散策に出掛けました。(学園歳時記【うづき第4号】〜御室桜と霊場めぐり
仁和寺には「飛濤亭(ひとうてい)」と「遼廓亭(りょうかくてい)」という二つの茶室があります。いずれも重要文化財に指定されています。宸殿北庭の木立の中に建つ飛濤亭は寛政年間(1789−1801)頃のものとされています。四畳半洞床の茶席、その北側に勝手と土間がつくられています。光格天皇ご遺愛の席として知られる茶室です。本坊の北西、庭の奥まったところにひっそりと建つ遼廓亭。もともと門前にあった尾形光琳の屋敷から移築された数寄屋建築です。茶席、広間、水屋、勝手、控えの間からなります。茶席は「我然庵」と呼ばれる二畳半台目向切り。窓の配置と数をのぞいて、国宝指定の如庵(愛知県犬山市)をそっくり写した設計です。
趣の異なる二つの茶室。屋根や天井、壁や床の間、水屋など、それぞれの特徴を飯島先生が詳しく解説してくださいました。

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