学園だより

学園歳時記【しもつき第4号】〜紅葉狩りハイキング〔高雄篇〕

平成24年11月22日(木)
秋雨前線の影響から不安定な天候が続いています。それでも京都は秋の行楽シーズンをむかえ、嵐山や東山をはじめ市内のいたるところが修学旅行生や観光客で賑わいを見せています。11月9日(金)、茶道科2年生は紅葉の名所として知られる右京区の高雄・栂ノ尾へハイキングに出掛けました。
午前9時、集合場所の西大路一条からJRバスに乗り出発。妙心寺北門に続いて仁和寺王門前を通過し、バスは周山街道へ入ります。曲がりくねった山あいの道を抜け、30分ほどかかって「栂ノ尾(とがのお)」に到着しました。さっそく最初の目的地、高山寺(右京区梅ヶ畑栂尾町)へ向かいます。高山寺は真言宗系単立寺院、山号は「栂尾山」。日本ではじめて茶が栽培された地として知られています。栄西禅師が宋から持ち帰った茶の実を明恵上人(1173−1231)が山内で栽培したことが、そもそもの始まりとされています。以来、栂尾の茶は「本茶」、それ以外は「非茶」と呼ばれるにようになりました。高山寺は、日本最古の茶園のほかにも書画典籍など多くの文化財を残す古刹です。明恵上人時代の遺構「石水院」をはじめ、『明恵上人樹上坐禅像』や『鳥獣人物戯画』は国宝に指定されています。1994年、世界文化遺産に登録されました。
高山寺をあとにし清滝川に沿って高雄へ移動。次の目的地、神護寺を目指します。つづら折りの山道をのぼると、だんだん紅葉の色づきも濃くなります。400段にも及ぶ階段・石段が終わりに差しかかる頃、ようやく楼門が見えてきました。神護寺は高野山真言宗の別格本山、山号は「高雄山」です。『金堂本尊薬師如来像』をはじめ、多くの国宝・重要文化財が所蔵されています。平安京造営の統括にあたった和気清麻呂公が延暦年間(824−834)に開基しました。唐から帰った空海(弘法大師)が住持し真言宗を開宗したため平安仏教発祥の地とされています。弘法大師像(重文)が安置されている「大師堂」がちょうど特別公開中でした。また神護寺は「土器(かわらけ)投げ」の発祥地としても知られています。それぞれに厄除けを願い、2年生全員が谷底めがけて土器を投げました。色とりどりに染まった林のなかに小さな素焼きの皿が吸い込まれていきました。

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