学園だより

学園歳時記【きさらぎ第1号】〜節分の茶事

平成25年2月2日(土)
足早に1月が過ぎ、2月の始まりです。前日からの雨はあがり、少し寒さが緩んだ2日(土)の朝、厨房が活気づいています。ふだんの土曜日(第2・第4土曜をのぞく)は、研究科の授業が午前中のみのため、平日に比べ校舎はひっそりとしています。けれどもこの日は1年コース5名が揃って登校。自主的な稽古茶事です。稽古とはいえ本格的な正午の茶事。茶室を清め、露地を掃き、水屋をととのえ、亭主のミカ・マケラさんと半東の高村明子さんは大忙しです。一方、厨房では厳敏さん、笠倉まさ江さん、福田光軌くんが料理の下ごしらえ。「凝ったことはできません。気取らず基本に忠実に早春らしい献立にしたい」と福田くん。

献立
〈汁〉  よもぎ麩 からし
〈向附〉 鯛の昆布〆 かいわれ
〈煮物〉 海老真薯 うぐいす菜 椎茸 人参 枸杞の実 柚子
〈焼物〉 鰆の幽庵焼 木の芽
〈吸物〉 蕗の薹
〈八寸〉 白魚 ちしゃとうのみそつけ
〈香物〉 沢庵 花大根 壬生菜

今回の茶事にあたり、マケラさんが主導し趣向や献立について冬休みから思案を重ねてきました。節分にちなんだ道具を取り合わせ、マケラさんの母国であるフィンランドの陶器や工芸品なども見立てられました。
さて、招かれた客は茶道科3年生の林慶一郎くん、宮崎由希子さん、宮村裕之くん、木下聖也くん。水屋当番チーフをつとめている4人です。はじめの準備と後始末、水屋当番を通じて学ぶことは、授業のそれ以上かもしれません。日頃お世話になっているチーフに感謝の気持ちを表す招待だったようです。「このような形のコースを越えた交わりは、学校のカリキュラムだけではなかなか体験できないこと。すばらしい機会に恵まれ心から感動しています」と、3年生たちは興奮ぎみに語ってくれました。

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