学園だより

学園歳時記【きさらぎ第3号】〜「千代の友」に捧げる感謝の茶会

平成25年2月16日(土)
2月も半ばにさしかかり、卒業式までひと月をきりました。小雪の舞う2月16日(土)、茶道科1・2年生の有志が茶会を催しました。客は卒業を間近に控えた3年生、1年コース、研究科、そして外国人研修コース生です。「卒業する先輩たちの門出を祝いたい」と2年生の高野彬くんが発起。有志を募り、取り合わせや菓子の試し作りなど冬休みから準備を進めてきました。
厳しい寒さに震えながら席入りすると、待合の広口釜が温かく出迎えてくれました。和やかな語らいの時間をすごし、いよいよ本席へ。床の間には一行『松樹千年翠』。いつまでも茶の湯への想いを持ち続けてほしい、そんな願いが込められていたようです。旅立ちにふさわしく花入は竹の釣船。前庭から摘まれたばかりの白侘助は大海へ漕ぎだす先輩の姿でしょうか。手作りの菓子は蒸し餡カステラ『浮き島』です。10時から順に4席がもたれ、2年生が後見役、点前は1年生が担当しました。席ごとに異なる主茶碗は亭主が択んだ「好み」の品。席に運ばれる茶碗もすべて有志一同がそれぞれ持ち寄ったものでした。手を取り合う三つ人形の蓋置。東大寺お水取り松明の茶杓の銘は『千代の友』。下級生からの熱いメッセージを受けとめ、上級生たちの瞳は潤んでいました。
茶席の締めくくりに思いがけない贈りものが用意されていました。能の曲『羽衣』です。2年生の美馬匡くんがシテとなり謡と舞を披露。田中萌さん、水流えい子さん、尾崎華枝さん、片峯葉子さん、マイケル・ハーディーさんが地謡をつとめました。

すっかり頼もしくなった後輩の姿に目を細め、上級生たちは誇らしげな笑顔で学舎をあとにしました。

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