学園だより

学園歳時記【きさらぎ第4号】〜竹の道具に親しむ−『千家十職工房見学』

平成25年2月21日(木)
2月21日(木)の午後、茶道科3年生が千家十職の竹細工・柄杓師の黒田正玄さんを訪ねました。ご自宅兼工房は裏千家学園から歩いて15分ほどのところにあります。時おり雪のちらつくなか、道すがら指物師の駒沢利斎さん、塗師の中村宗哲さんのお宅の前を通り目的地に到着。
黒田正玄家は400年続く竹細工師のお家です。江戸時代初期から徳川将軍家の御用柄杓師をつとめました。3代正玄の時から三千家の職方として茶杓の下削り、花入や香合、水指、薄器などの好み物を中心に竹の工芸品を制作されています。昭和41年、先代から家督を継いだ13代正玄さんのご案内のもと工房や倉庫を見学。竹の性質や保管方法、柄杓や茶杓の制作過程などを詳しく教えていただきました。毎日手にしている竹の道具に対する学生の見方はずいぶん変わったようです。
「職人さんが作っている姿を見て、竹の道具が身近に感じられるようになりました。これから茶席で拝見するときは、作り手の想いがより伝わってくるような気がします」
「『景色や特徴のある竹との出逢いは奇跡です』という正玄さんのお言葉が印象的でした。茶杓をもっとしっかり鑑賞しなければいけないと思いました」
「4〜5年目の竹を伐り、丁寧に油抜きし乾燥させたあと倉庫で数年寝かせ、それからようやく制作。自然の素材が相手なので思い通りにいかないこともあったり、手間と時間がかかる大変な仕事なのだと分かりました。ありがたく使わせていただきます」
など、学生からさまざまな感想が聞かれました。

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