学園だより

平成24年度謝恩茶会

平成25年3月22日(金)
初夏を思わせるほどの陽気が続き、例年より早く前庭の梅が満開となりました。うららかな日和の3月13日(水)、卒業を翌日に控えた茶道科3年生(49期生)による謝恩茶会が催されました。
最初の席に、千玄室大宗匠、学校長・副校長をはじめ宗家の方々を迎えました。続く2席目からは、学園生活を陰ながら支えてくれた家族や友人、実技・講義でご指導いただいた先生方が招かれました。学びを共にし、ひと足先に学園を巣立った卒業生・修了生もまた大切な招待客です。在学中お世話になった方々およそ180名をもてなしました。
今年度謝恩茶会のテーマは「旅」でした。本席の床は坐忘斎家元の染筆『明暦々露堂々』。円能斎在判の神酒筒花入の銘は『寿美よし』。春の訪れを告げるムシカリとユキワリイチゲ(雪割一華)が山歩きの気分を演出します。利休好みの旅箪笥のなかには花鳥文の水指とクローバーの蒔絵が施された黒中棗。手作りの桜餅は素朴な風合い、旅の途中にのんびりと一服、そんな気分にさせてくれます。点心は竹の皮にくるまれ山路を連想させました。ひとつずつ丁寧に削られた青竹が引杯の代わりに添えられていました。

献立
〈向附〉 きらず和え(筍 人参 蒟蒻 油揚げ) 
〈焼物〉 蓬麩・粟麩味噌田楽
〈添物〉 海老芋揚げ 菜の花のお浸し
〈ご飯〉 若布ご飯
〈香物〉 沢庵
〈煮物椀〉 帆立真蒸(海老 蓮根 三つ葉 柚子)


また、卒業制作の展示では「菓子暦」と題し、京都の祭事や年中行事と共に四季折々のさまざまな菓子が紹介されました。
趣向に合わせ道具を選んだ茶席、思案を重ね試し作りを繰り返した菓子と点心、1年以上をかけて製作に取り組んだ卒業研究。感謝の気持ちが込められた3年間の集大成となりました。



ページの上へ