学園だより

学園歳時記【しわす第1号】〜もみじの東山ハイキング

平成25年12月2日(月)

朝夕の冷たい空気が肌を刺す季節になりました。12月2日(月)、うっすらと靄(もや)のかかる朝、茶道科1年生は東山へ紅葉狩りに出かけました。 皇室ゆかりの泉涌寺から紅葉の名所・東福寺を経由して稲荷山にのぼり、最後に伏見稲荷大社をお参りするコースです。

泉涌寺道のゆるやかな坂をあがり、総門から山内へ。はじめに今熊野観音寺を訪れました。 京都における熊野信仰の聖地として古くから崇められ、 後白河上皇より「新那智山」の山号を賜った霊場です。 林のなかの小径をたどり、次に来迎院(らいごういん)を訪ねました。安産の勅願所として朝廷から篤い信仰を得た寺院です。 御寺(みてら)の尊称を持つ泉涌寺。唐様建築の代表作とされる雄壮な仏殿(重要文化財)や歴代天皇の墓陵が営まれている月輪陵など、 1年生たちは神妙な面持ちで拝見しました。泉涌寺を出て東福寺へ向かう途中、悲田院(ひでんいん)でひと休み。 見晴らしが良く京都市内を一望できます。 目の前に迫る東山の峰は色とりどりに染まっていました。

東福寺山内の同聚院で昼食休憩をとり、境内へ向かいます。臥雲橋は平日にもかかわらず海外からの旅行者や参拝客で賑わっています。 日下門から境内に入り真っ先に通天橋へ。見渡すかぎり紅葉の錦、一同から思わず歓喜の声が上がりました。 歩廊橋の先にそびえる開山堂に続いて、圧倒的なスケールの本堂と三門(国宝)を見学。 荘厳な建造物もまた東福寺の大きな見どころです。南西端の六波羅門のそばに、一見すると銀杏のような黄金色に染まる老木がひっそりと立っています。 開山である聖一国師が宋から種を持ち帰ったとされる「東福寺もみじ(三葉カエデ)」の数少ない子孫です。歴史の貴重な証人に別れを告げ、境内をあとにしました。

伏見稲荷大社は全国に3万社を超えるとも言われる稲荷神社の総本宮。東山三十六峰のいちばん南端、稲荷山のふもとに鎮座します。 初詣の参拝客数は近畿圏随一を誇り、京都を代表する観光名所のひとつです。表参道から一番鳥居をくぐり、本殿や奥の宮を参詣した後、 いわゆる「お山参り」をするルートが一般的ですが、今回のハイキングでは北側の裏参道から入山しました。 権太夫の滝、産場稲荷神社、荒木神社、腰神不動明王など。ふもとの住宅街にも小さな社や祠が点在しています。 狭い路地を抜け、しだいに険しくなる石段を登り、ようやく四ツ辻に到着。そこからさらに「三の峰」「二の峰」「一の峰」の順にお参りしました。 再び四ツ辻へ戻り、今度は山を下ります。無数の鳥居をくぐり、ようやく本殿にたどりつきました。 太陽はすでに西に傾きかけています。明け方からの靄はすっかり晴れ、柔らかな陽射しに照らされた本殿の朱色がひときわ輝いて見えました。

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