学園だより

学園歳時記【さつき第1号】〜平安絵巻

平成27年05月15日(金)

真夏を思わせる蒸し暑さとなった5月15日(金)、茶道科1年生とみどり会生が葵祭の見学に京都御苑を訪れました。 祇園祭・時代祭とならんで京都三大祭に挙げられる葵祭は、賀茂御祖神社(下鴨神社)と賀茂別雷神社(上賀茂神社)の例祭。 欽明天皇の御代(在位539-571年)に凶作が続き、五穀豊穣を願い賀茂社にて行われた祭礼が起源とされます。 かつては「賀茂祭」と称されていました。

平安時代になると、朝廷の律令制度として最も重要な祭祀に位置づけられ、貴族の間で「祭り」と言えば葵祭のことをさすほどだったといいます。 もともと「宮中の儀」「路頭の儀」「社頭の儀」の三つの祭儀からなりましたが、現在では路頭の儀と社頭の儀が行われています。 総勢500名を超える行列が京都御所を出発し、下鴨神社を経て上賀茂神社へ向かう巡行が路頭の儀。下鴨・上賀茂の両社にて行われる儀式が社頭の儀です。

行列は本列と斎王代列からなります。本列は騎馬隊である乗尻(のりじり)が先導し、さまざまな位の役人や護衛のあとに勅使が現れます。 勇壮で色あざやかな装束が御苑の新緑によく映えます。つづいていよいよ十二単衣に小忌衣(おみころも)を羽織った斎王代が登場。 腰輿(およよ)に乗ったヒロインの姿に一同から歓声が上がりました。内侍・采女(うねめ)・騎女(むなのりおんな)など、女官たちの艶やかな衣装も優美な王朝時代を偲ばせます。

時代の流れと共に盛衰しながらも現代まで受け継がれ、平安貴族の風俗を今に伝える葵祭。優雅で古趣に富んだ大行列は、まさに動く歴史博物館です。

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