学園だよりアーカイブ
大名の栄華を偲ぶ
平成26年10月15日(水)

10月15日(水)澄みわたる青空のもと、茶道科2・3年生は野村美術館を訪れ、秋季特別展『大名道具の世界-茶の湯と能楽』を見学しました。東山のふもと、永観堂と南禅寺の間に位置する野村美術館は、野村徳七のコレクションをもとに昭和59年に開館。野村財閥を築き政財界に名を馳せた実業家は茶人としても知られ、「得庵」と号し茶の湯をはじめ諸芸能に親しんだ人物でした。
現館長をつとめる谷晃先生は今年度から裏千家学園の講義講師です。高麗茶碗を中心とした茶陶についての講義を担当されています。谷先生のご厚意により、この日の授業は野村美術館で行われました。
大名茶のすがたといえば、「御成」に代表される儀式的な茶の湯、そして唐物賞玩をもっぱらとする書院の茶。しかし一方で、江戸時代中頃になると、私的な楽しみとして侘び茶に傾倒した大名も少なくありませんでした。このような大名茶の特徴について講義をいただいた後、いよいよ特別展を鑑賞。かつての栄華を偲ばせる絢爛豪華な展示品のかたわらに、侘びた風情の茶道具も配されており、学生たちは興味深く見入っていました。