祇園祭りに参加して



  茶道科3年(43期) 清水北斗

  京都三大祭りのひとつ祇園祭。鉾曳き手ボランティアとして私達裏千家学園生が参加させていただいて3年目を迎えます。今年は11名の学園生が参加させていただき、私は1年生のときから参加して今年で学生最後の夏となりました。
  巡行の丁度3週間前、私たちは八坂神社本殿でお祓いをしていただき、祇園祭りは観光化された祭りではなく神事であることを実感しました。
  今年度、私達が曳く鉾は放下鉾。能楽の授業で習った放下僧に因んだ鉾なので特に身近に感じ、うれしさと緊張の中巡行当日を迎えました。曳き手は総勢50名。代々伝わる装束を身にまとうと次第に気が引き締まるのを感じました。雨が降っていたのにもかかわらず、同級生達も応援に駆けつけてくれて全国から多くの人々が沿道に集い、街は熱気にあふれました。

私達が曳いた放下鉾 同級生達が応援に駆けつけてくれました

  コンコンチキチンのリズムに合わせてグググッ、ギシッと大通りをゆっくりと進む鉾はとても大きく存在感があり、なんとも言い難い優雅さがあります。まるで生きているようにさえ感じられます。それぞれの山鉾が醸し出す風情は雨に濡れてなお美しく、雅な世界を味わうことができました。力一杯曳いた太い綱は人と人を繋ぎ、また時を超え、私達は京都のすばらしい伝統の重さを全身で感じることができました。
  たくさんの人が出会いお互いが協力し合って初めて成り立つ祇園祭りは私達が学園生活や寮生活を通じて学ぶ茶道のもっとも大切な部分、【お人を想う】という点で共通しているのではないかと強くおもいました。昔の人の想いを受け止めそれを深めることができたとても幸せで思い出深い一日となりました。

巡行は凄い雨の中での催行となりました