初冬をむかえた北陸路への研修旅行
平成18年度 研修旅行「仙叟居士墓参と研修」




3年生(43期)神方 崇・最上純恵


  11月15日、京都では木々が色づき始めた頃、茶道科43期生は加賀・金沢方面に研修旅行に出かけました。吐く息が白い朝のすがすがしさに送られての出発です。

那谷寺


〈11月15日〉

那谷寺見学→無限庵にて塗体験と前端美術館見学

〈11月16日〉

九谷焼(故 矢口永寿氏宅へ)工房見学→九谷焼美術館見学→石川県立美術館見学→
釜(宮崎寒雉氏宅)工房見学

〈11月17日〉

月心寺 墓参と拝観→大樋美術館見学
金沢市内自由見学


  無限庵(加賀市)では塗りの体験をしました。あらかじめ下絵をお送りしておきましたので、今回は『蒔絵』といわれる手法の体験です。絵は“描く”ではなく“蒔絵”と言うのは図案の上を漆で線描きしてその上に金を蒔いて仕上げるからだそうです。実際体験してみると漆器の完成には気が遠くなるほどの手間がかけられていることを知りました。
  仕上がりました棗は3月の謝恩茶会の折に教室に展示したいと思いますので、私達の成果をご覧ください。

棗製作に取り組みました



  故 矢口永寿氏の窯元(加賀市)では奥様より久谷焼への思いを数々の貴重な九谷焼を手に取りながら聞くことができました。
  その後九谷焼美術館では古九谷展を見学し、九谷焼の歴史や技法のすばらしさに感動しました。

矢口家にて

  宮崎寒雉氏(金沢市)の釜工房では釜の製造過程と工場を見学させていただきました。夏にはかなり暑くなりそうである厳しい環境の作業場で一つ一つ手作業で丹念に作られている釜をみて普段何気なく使っている釜に対する想いを新たにいたしました。



  月心寺ではこの旅行の主目的でもあります仙叟居士の墓参をいたし法話を頂戴いたしました。お茶の中に身をおかせていただいている私達にとって仙叟居士が歩かれたかもしれない同じ場所に立ち、同じ加賀の空気を吸えた事は貴重な経験になりました。

月心寺にて
仙叟屋敷前にて

  最後の研修は仙叟居士と縁の深い大樋焼での研修となりました。
  美術館では大樋年雄氏の解説で見学をし、大樋家では業躰の奈良宗久先生の説明で大樋づくしのお茶をいただきました。その後仙叟居士の屋敷跡も見学致しました。

  卒業を半年後に控えた私達3年生にとって、とても有意義で充実した旅行となりました。

車窓から