石清水八幡宮献茶式添釜


茶道科3年(44期) 内藤太郎


  空高く澄み渡った秋晴れの日、私たち3年生は石清水八幡宮献茶式(京都府八幡市)において野点席の添釜をさせていただきました。


  今回の添釜で私たちは一般のお客様をお迎えする初めての機会でした。普段は茶室での稽古がほとんどの私達にとって野点席ならではの難しさや、初めてお会いするお客様をいかにおもてなしするかを勉強させていただく貴重な経験となりました。

  床にはこの日のためにお家元様よりご染筆いただいた「普天秋意露」という色紙を掛けました。当日はその言葉通り、あまねく空の下に秋の訪れを感じられる一日となりました。
  干菓子はカルメラの巌と生砂糖の紅葉。カルメラは形や食感を整える事が難しく同級生全員で何度も集まって試行錯誤を繰り返しました。全寮制という特別な環境でお茶で結びついた絆の深さを実感した一日でもありました。


  朝一番に大宗匠様が席においで下さり、受付の飾りや干菓子などお褒めの言葉を頂きました。最後に「 笑顔でお客様をおもてなしするように」 とのお言葉に緊張で引きつっていたであろう私たちの顔と心がほぐれ、無事にお席に臨めたような気が致します。
  午後には副校長様がご来席くださりお水屋にも足を運んでいただき「水屋はいつも清潔に」をご指導いただきました。


  無事に一日の席主を勤めさせていただけたのは、お家元様、先生方のご指導、お客様でいらしてくださった皆様の暖かなお心があったからこそと、我々一同ただただ感謝申し上げます。

  卒業まで後、半年となりました。副校長様が常々おっしゃるように、やり残したことがないように、きちんと確かめて、今何をするべきなのか、又何をしてはいけないのか、考えて卒業までの時間を悔いの残らぬよう大切に過ごしていきたいと思います。