観 月 茶 会
生涯の宝物

茶道科3年(45期生)  山本あい花

  「入学おめでとう」の学校長様からの一言からはじまった私たちの学園生活。早、2年と半年が経ちました。裏千家学園では、学年全体が1つの目標に向かって走っていける様々な行事があります。

  10月15日「後の月」という暦に合わせて、2年生(46期生)主催による観月茶会が催されました。2年生にとっては初めて学年が主体となって催す行事です。私たち3年生は客としてこの茶会にお招きいただきました。期待を胸いっぱいに膨らませて席入りをしたその瞬間1年前の自分たちの姿が蘇ってきました。茶会当日までの打ち合わせ、点心の試し作り、お菓子の制作。夜遅くまでみんなで作業をした事を思い出しました。茶会の経験のない私には、1日だけの茶会のためにこのように大変な準備があるとは思いもよりませんでした。しかし行事を通してお互いの意見をぶつけ合い、より良いものを作ろうと皆の気持ちが一つになったことは確かです。

  今年の観月茶会は本席(茶箱)と点心席で、茶箱席では「月」点前、源氏物語にちなんで2年生が絵付けをした茶碗で一服を頂きました。点心やお菓子にも秋の風情が漂い優雅な時間を楽しみました。


本席(茶箱)

手作りの点心です 点心席にて

  私たちは亭主側と客側を両方体験してみて、客は亭主の立場になって考え、亭主は客の立場でもてなすことを学び、亭主と客が一緒の楽しむお茶のあり様を、まだまだ未熟ながら実感しました。お客様がいてのお茶会でありその中の一人一人、自分がどうもてなされたら一番うれしいかを考えたうえで、他人への思いやりをもって接することができたら素晴らしいと思います。

  私は裏千家学園に入学し、実技や寮生活を通じて「みんなの支えがある」 と日々実感しています。そんな機会を与えてくださった方々に感謝して残りの学園生活を過ごして行きたいと思います。