観月茶会





48期(2年) 堀江望

  去る10月22日、私達48期は観月茶会を催させて頂きました。


  観月茶会は学園入学以来、初めて私たちが席主になり催した茶会です。48期の全員で7人という少ない人数で何ができるのか・・どのようなおもてなしができるか・・と夏休み前から構想を練り始めました。そして試行錯誤の結果、濃茶一服を差し上げることに決まりました。
茶会のテーマは「陰陽の対比」。


  裏千家学園の3階の大広間百畳の真ん中に本勝手と逆勝手の点前座を並べ、同時に点前をする“比翼”と称される点前をいたしました。


  待合から本席まで至るところに陰と陽のものを配しました。


  待合は真っ暗な陰の部屋に手燭を置き《陰》を演出し、お菓子を召し上がってもらう席には、白と黒の唐織帯をかけました。もちろん縁高の色も黒と朱。


  床の間には「瑞雲」の掛物、花は「酔芙蓉」を入れました。酔芙蓉は、朝に白色の花を開き、夕刻には赤色に変化します。陰から陽に変化する花の姿が今回の趣向を盛り上げてくれました。
  本席は明るい《陽》の広間、ひとつの床の前にふたつの点前座は「天空の月」「水面に映った月」の道具組をしました。本勝手には《陽》のしつらえ、逆勝手には《陰》のしつらえ。点前は同時進行です。柄杓を引くところや総礼、服加減を尋ねるところまで息を合せました。点前を同時にするにあたり、当日まで何度も放課後に集まり稽古しました。なかなか合わず苦労した事も今では良い思い出となりました。


  『天にあらば比翼の鳥 地にあらば連理の枝』という言葉があります。比翼の鳥とはひとつの目、ひとつの翼をもつ鳥で、雄と雌が常に二羽が一体となり飛ぶという伝説の鳥です。連理の枝とは二本の樹が枝のところで一体となり一本になっているこれも伝説上の樹です。いずれも仲むつまじい夫婦の例えですが、私達はこの言葉を学園の仲間にあてはめてみました。年齢も育った場所も別々の私達がこの学園で出会ったのは奇跡だと感じます。比翼の鳥、連理の枝のように皆で支え合い一体になれるようにと願いを込めた茶席でした。

  私たちの趣向に快くご協力頂いたお客様、アドバイスをして下さった先生方に厚く御礼申し上げ、反省点も多々ございましたが、これを今後の糧としてますます精進して参ろうと深く感じました。