ごあいさつ
茶道裏千家 家元
千 宗室
裏千家学園は、年齢や経歴、国籍を問わず、茶の道を志す人たちが集う場です。
茶の湯の真味は誰かが与えてくれるものではありません。実技や座学を通じ、自分自身で見つけていくものです。一人ひとりが自分なりの尺度を持ち、亭主として、客として、水屋方として、その時々のお茶に出会うことで、多くの学びを積み重ねていきます。
なぜ楽しめるのか。それは即ち学ぶことができるからです。
大乗仏教の経典『維摩経』の中に「直心是道場」という教えがあります。「直心」とは、ありのままの素直な心のこと。それこそが求める「道場」であるわけです。
私は折に触れて学生たちに「人に教えを請う時は自分の心を空っぽにしなければなりません」と言い聞かせています。心を空にすれば必要なものを素直に取り込めます。
裏千家学園は、茶道を学ぶため、そして、茶道を楽しむための「道場」です。本校での学びがこの道に志を立てる皆さんの人生をより豊かで実りあるものにすると私は信じています。
裏千家学園茶道専門学校
理事長・校長
千 容子
昭和37年に裏千家茶道研修所が淡々斎宗匠の下に設立されました。一期生は1年制が13名、3年制が11名でした。改称を経て、昭和58年に京都府より学校法人の認可を受けて学校法人 裏千家学園茶道専門学校となり現在に至っております。
本校では早朝の水屋当番に始まる、実技と多彩な講義を毎日のカリキュラムに取り入れております。お献茶式への参列やお茶席のお手伝いなど、京都の家元のお膝元ならではの行事も度々にございます。お点前ばかりではなく、茶道に関わる様々な学びを通しての恵まれた環境を学生の皆さんに享受していただきたいと思っております。
皆さんに、それぞれの学びの期間を目標を持って日々を過ごしていただきたいと願っております。卒業後、必ずしも茶道に係る仕事を選ぶわけでもありません。どのような一歩を踏み出すにせよ、当学園での経験が役立つように、より良い環境を整えるべく努力をして参ります。